指示書3「まちを味わうカラダのメニュー」

まちをつかったひみつのあそび 指示書 3
「まちを味わうカラダのメニュー」

 

これは清水のまち、あるいはどこかのまちを、カラダでじっくり味わうためのメニューです。全部で6つあります。お好きなものからどうぞ。

 

①壁の前に立ち、顔がくっつきそうな距離で壁を見つめる

壁の材質、質感、色、温度、凹凸をじっくり感じてみる。

 

②遠くの山の稜線を鼻の頭でなぞる

細かいアップダウンもなるべくしっかりなぞる。

 

③港にある、船を繋いでおく杭の前で正座をする

膝がぴったりはまるとGood。ちゃぶ台のような安心感。

 

④鋭角な建物の角を両腕ではさむ

道が斜めに交差する所に、鋭角の建物あり。(だけど挟める鋭角はレア!)腕で挟んでみると、見た目とは全然違った角度が感じられる。

 

⑤地面に描かれた模様の、線の上をなぞって歩く

なるべく長く歩けて、道のりが面白そうな線を。

 

⑥マンホールの中心に両足ジャンプで飛び乗る

しっかりド真ん中に乗れると気持ちが良い。ちょっとした達成感。

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ゲストアーティスト:アグネス吉井

 


指示書を聞く

【読み手:吉見亮さん (SPAC-静岡県舞台芸術センター  俳優)】

 

あそびかた

暑さと大雨に翻弄された7月のとある1週間、私たちは清水の街に滞在しました。滞在期間中はとにかくあちこちを歩き回り、その中で気づいたとても些細な街のディティールの数々が、今回のメニューの素となっています。

普段の暮らしの中でなにげなく出会っている、気になる形の建物や人工物。それを目で見たり、写真に撮ったりするだけじゃなく、思いきってグイッと近づいてみる。さらに体でなぞったり沿ったりしてみると、思わぬ発見があるかもしれません。見慣れた街を体で味わう散歩に、さあ出かけましょう。

まず、清水の商店街や旧東海道沿いを歩いていると、建物と建物が隙間なくピッタリくっついている場所が多いことに気がつきました。


くっついて建てられた建物のうちの1つが取り壊されて駐車場になったりすると、その切断面に現れるのは、窓や装飾のない大きな壁。そんな壁があちこちで見つかったので、至近距離で観察してみたくなりました。
一言で「壁」といっても、色も素材も様々です。いろいろな壁の前に立って、その「立ち心地」を比べてみませんか。

また、清水の街を歩いている間、遠くの山々の美しさに見惚れることが何度もありました。晴れた日に少し眺めの良いところへ登って、山が描き出す凸凹のラインを鼻の頭の動きで味わってみると、お手軽な登山気分を味わえる……かも。

港にある船を繋いでおく杭、あれは「ボラード」と言います。よく伊達男が片足を乗せているイメージですが、足を乗せる以外の楽しみ方も色々ありそうです。

鋭角な建物はなかなか見つからないかもしれませんが、道路が斜めに交差している場所に注目しながら、地図で探してみましょう。地図上の角度と、実際に目で見る角度、そして両腕で挟んでみた角度!きっと新鮮な驚きがあるはず。

地面に描かれた線の上を歩くのは、やったことがある人も多いんじゃないでしょうか。簡単なメニューではありますが、あえて真面目に、几帳面に、きっちりなぞって歩いてみるのがオススメです。

マンホールの中心に飛び乗るのも、手軽にできるメニューのひとつ。体操選手になった気分で、ビシっと両足で着地してみてください。

6つあるメニューのうち、好きなものを選んでも良し、全部に挑戦してみても良し。味わいかたは自由なので、もちろん私たちの写真と全く同じ形でなくても構いません。
大切なのは、「カラダでじっくり味わうこと」。やってみた時のカラダの「感じ」を、ぜひ堪能してください。

アグネス吉井


8月27日(土)9:00〜12:00
【みんなで遊んでみるイベント】カラダで味わう清水さんぽ! も開催します!
詳細はこちらをご覧ください。


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