7月17日(土)放送:「おでんの伝言」

おでんの伝言

マルサンカクシカク、マルサンカクシカク。

駿府城公園にある「おばちゃん」というおでん屋さんを知っているだろうか。大根110円、ちくわ110円、牛すじ165円、黒はんぺん110円、糸こん110円、こんぶ110円。要するに牛すじ以外は全部110円。屋外の椅子やテーブルでおでん片手にくつろぐ、青空おでんスタイルだ。

公園なので、犬の散歩をしている人やジョギングをしている人を眺めながらおでんを食べることになる。つまりおでん屋の椅子は「公園の日常」というドラマを眺める観客席でもある。同時にあちらも散歩やジョギングをしながら、こちらを見ている。おでんを食べる「わたし」もまた「公園の日常」を彩る役者のひとりなのだ。

今回の戯曲『おでんの伝言』の舞台は、ここ「おばちゃん」だ。出演者は、おでんを売っている個性豊かなおばちゃんとおじちゃん、そして今ラジオを聞いているあなた。見知らぬ誰かとおでんを交換する、文通みたいな「ひみつのあそび」をやってみよう。

ルールは、こう。
手を消毒して、おでん屋に入ったら、お店のおばちゃん達に「おでんの伝言を届けに来ました」と言おう。これが合言葉。おばちゃん達が心の準備をしやすいよう、合言葉は最初に、そしてさりげなく言うこと。そのほうが、あなたの演技力が光る。

「こんにちは〜。おでんの伝言を届けに来ました。」
「はい、こんにちは。何にします?」

そう聞かれたら、お気に入りのおでんの具を1つ注文しよう。

「ん〜じゃあ、玉子で!」
「はい、110円です。」

するとその玉子は、あなたではなく、あなたの次に合言葉を言った「見知らぬ誰か」に贈られる。その代わりあなたのお皿には、あなたの前に合言葉を言った誰かの選んだ、たとえばもち巾着なんかが盛られているはず。つまり、おばちゃん達を介してお互いを知らないお客さんの間でおでんのバトンが手渡されていくのだ。たまに失敗もあるかもしれないけど、それもまた味わい。出汁粉や辛子のように、おでんをおいしくしてくれるはずだ。

お店は10時から17時まで年中無休だが、『おでんの伝言』ができるのは7月の17、24、31日いずれも土曜日のみ。友達や家族と行くもよし、ひとりでもぜひ勇気を出して、おばちゃんやおじちゃんに声をかけてみてほしい。

マルサンカクシカク、マルサンカクシカク。


聴き直し

当日の放送は以下You Tubeまたはradkoタイムフリーから聴くことができます。

戯曲を朗読しているのはSPAC-静岡県舞台芸術センターの俳優・石井萠水(いしいもえみ)さん。今月(2021年7月)いっぱいは毎週、石井さんが読んでくれます。

今回の舞台

おでんや おばちゃん
住所:静岡市葵区駿府城公園1-1(静岡駅から徒歩約6分)

駿府城公園の敷地の中にあります! ぜひお散歩がてら、気軽に遊びに行ってみてくださいね。

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