8月7日(土)放送:「宇宙一の料理人」

宇宙一の料理人

きょうは2045年8月7日、あなたはNASA・アメリカ航空宇宙局ではたらく天才料理人です。専門は「家庭料理」。

世界各国から集まる宇宙飛行士たちのために、宇宙食、つまり宇宙でとる食事を開発することがあなたの仕事。その中でも「宇宙にいるのに、まるでお家にいるような」宇宙食、名付けて「宇宙家庭食」の開発があなたの任務なのです。

研究のため、あなたはこれまで世界中を旅して、ありとあらゆる国の、ありとあらゆる家庭を訪ね歩きました。その家の人たちと仲良くなって、家族団らんの食卓に交ぜてもらい、一緒に晩ごはんを食べました。

やがてあなたは、宇宙飛行士の顔を見るだけで、その人の食べたい家庭料理が瞬時に脳内に思い浮かぶようになりました。見た目だけでなく、味も、匂いも感じられるのです。その料理を宇宙食として開発すると、宇宙飛行士たちは涙を流して喜びました。

「地球から何万キロも離れているのに、まるで我が家にいるみたいだ!」

そしてあなたはNASA史上初の、宇宙家庭食のスペシャリストになったのです。いつか、地球外生命体のいるいろいろな星に旅して、その星の住人たちの晩ごはんを研究することが、あなたの夢です。

・・・・・

けれど今日、あなたはハタと気がつきました。

「…あれ? わたしの食べたい宇宙食がない!」

研究熱心なあなたは、誰かのために宇宙家庭食ばかり作ってきて、自分のために宇宙家庭食を作ったことはなかったのです。

今日のあなたのミッションは、あなたが宇宙で食べたい家庭料理を、地球上で、つまりあなたのお家で食べること。目玉焼きでも、スーパーで買ってきたお惣菜でも、カップラーメンや冷凍食品だってかまいません。包丁で切るだけでも、お湯を注ぐだけでも、お皿に並べるだけでもいいんです。台所に立って、自分のために料理を用意しましょう。

料理が完成したら、食卓をバルコニーや窓のそばに移動させて、夜空の星を眺めながら食べてみましょう。そして、どうしたらその料理を宇宙に持っていけるか、想像してみましょう。あなたは、宇宙一の家庭料理人なのですから。


聴き直し

当日の放送は以下You Tubeまたはradkoタイムフリーから聴くことができます。

戯曲を朗読しているのはSPAC-静岡県舞台芸術センターの俳優・奥野晃士さん。今月(2021年8月)の戯曲を読んでくれます。

この戯曲を一緒につくったのは・・・

今回の戯曲は、静岡市清水区に住む、宇宙のことが大好きな小学5年生・増田結桜(ますだ・ゆら)ちゃんと一緒につくりました。結桜ちゃんにインタビューをして、お話してもらったことからインスピレーションを得た「きょうの演劇」プロジェクトチームが書いたものです。

結桜ちゃんは天体観測などはもちろんですが、宇宙飛行の歴史を知ることが好きで、NASAジェット推進研究所の技術者・小野雅裕さんが子ども向けに書いた本『宇宙の話をしよう』(SBクリエイティブ、2020年)に協力もしています。

結桜ちゃんに聞いた宇宙の魅力は「まだ謎が全然解き明かされていないところ」。そんな結桜ちゃんには将来、宇宙飛行士のためにフランス料理のフルコースの宇宙食を開発したいという夢があります。というのも実は、結桜ちゃんのお父さんはフランス料理のシェフで、新清水駅のそばで「ボン・マスダ」というフレンチレストランをやっているのです。

フレンチに舌鼓を打ちつつ、どうしたら宇宙に持っていけるかなあ…と想像してみるなんて、贅沢な上演ですね!!

上演のコツ

上演はいつでも構いませんが、2021年8月12〜13日はペルセウス流星群が見られるので、夜空を眺めるにはうってつけです。

料理を食べながら、どうしたら宇宙に持っていけるか? 無重力で食べられるか? を考えてみましょう。家族など誰かと一緒に食べている場合は、その人と宇宙に持っていく方法のアイデアを話すのも楽しいと思います。

こちらは結桜ちゃんのお母さんが教えてくれた、宇宙飛行士・若田さんが紹介する宇宙食の動画です。意外と、地上で食べるものに近いようです。戯曲に登場する「宇宙一の料理人」のような、開発者の皆さんの努力の賜物ですね。

JAXAのサイトでは実際にISS・国際宇宙ステーションに持ち込まれている宇宙日本食も紹介されています。今夜の晩ごはんに食べたいものが見つかるかも?

戯曲の舞台となった2045年、人類は宇宙のどこまで到達しているかをイメージするには、未来定番研究所(大丸松坂屋百貨店)の「あの星にはいつ行ける? 2020年からの宇宙旅行ガイド。」が参考になりそうです。この記事の想像では、片道3日の月旅行が定番になっています。月にホテルも建設されていたり、「宇宙葬」が流行し、月へお墓参りに行く人も。

上演して(やって)みたよ! で、どうすればいいの?

きょうの演劇では「こんなふうにやってみたよ!」という体験談や、「宇宙で食べたいもの」を募集しています。ラジオネームと、やってみた人は写真を添えてTwitterInstagramで投稿してください。

SNSに投稿する際はハッシュタグ「#きょうの演劇」を添えてください。「きょうの」はひらがな、「演劇」は漢字です。

メール kyonoengeki★gmail.com(★を@に変えてください)またはフォーム を通じて体験談を送ってくださるのも大歓迎です。

お寄せいただいた体験談は、ラジオまたは『きょうの演劇』公式ウェブサイト・SNSで紹介させていただきます。

次回予告

次回8月14日(土)の『きょうの演劇』は、スリランカから日本に移り住み、スリランカカレー専門店を営むサジットさんと一緒につくった戯曲を放送する予定です。どうぞお楽しみに!

 

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