9月18日(土)放送:「ヤングランド・ドリームランド」

「ヤングランド・ドリームランド」

むかしむかし。あるところに、小さな遊園地がありました。ざっと百年ほど前のことです。遊園地はいつしかヤングランドと名前を変え、中のつくりもだいぶ変わりましたが、いつの時代もひとびとに愛されていました。遊園地は三十年ほど前に、その歴史を閉じました。かつてそれがあった場所は、今はイオンになっています。

きょうはこれから、あなたの心の中のヤングランドに遊びに行きたいと思います。ペンと紙を一枚、用意してください。ちょっと大きめのほうがいいです。できれば、壁掛けのカレンダーくらい。なければ、チラシの裏でも大丈夫です。

これから読み上げるガイドにしたがって、ヤングランドの地図を描(えが)いてください。インターネットは使わず、知っている人は記憶の力で、知らない人は想像の力で。でも記憶はいつもあいまいで、夢と現実のあわいを行ったり来たり。記憶でも想像でも、そんなにちがいはないのかもしれません。

それでは、ひろびろとした場所を見つけて、紙を広げてください。机でもダイニングテーブルでも、床の上でも結構です。ペンの用意はいいですか。では、はじめます。

まず入口のゲートを入ると、右手にお化け屋敷があります。園の中心には、メリーゴーランドやフラワーカップ。左手に見えるマッドマウスの奥には、一番人気の流れるプールと、巨大なウォータースライダーがあります。プールの真ん中は島になっていて、ステージではヒーローショーの真っ最中。そのまた向こうのボウリング場の周りを、宙返りしないジェットコースターがぐるりと取り囲んでいるはずです。メリーゴーランドを右側に抜ければ、冬の名物・スケートリンク。その前には水中を探検できる、潜水艦もあったような。さらにその先には大きな池があって、スワンボートが浮かんでいた気がします。それから、たしかビックリハウス? 小さな動物園もあったかもしれない。あったかもしれないなあ…

地図が完成したら、好きな場所に、あなた自身を描(か)き込んでください。一緒に遊びに行きたい人も付け加えましょう。今もまだヤングランドがそこにあったら、何をして遊びたいか想像してみてください。

おつかれさまでした。きょうから一ヶ月間、しずてつ「狐ケ崎駅」に、ひみつの地図を隠しておきます。駅ホームから階段を昇ったところの壁に、QRコードが貼られています。それをスマートホンで読み込むと、ヤングランドの跡地を巡る地図が表示されます。あなたが描(か)いた地図も持っていって、見比べながら歩いてみてください。それでは、ヤングランドで会いましょう。


聴き直し

当日の放送は以下You Tubeまたはradkoタイムフリーから聴くことができます。

今月(2021年9月)の戯曲を朗読してくれているのはSPAC-静岡県舞台芸術センターの俳優・宮城嶋遥加さん。ご自身も清水区(旧清水市)ご出身だという宮城嶋さん。記憶の中の「いつかのヤングランド」に誘い込まれるような語りです。

今回の舞台

「しずてつ全15駅・沿線11キロ、100年の旅」に続き、9月は静鉄特集。今回は狐ヶ崎駅のそばにかつてあった「狐ケ崎遊園」――のちに改装された「狐ケ崎ヤングランド」が主役です。子どもの頃の夏休みや初デートなど、思い出のある方もたくさんいるのではないでしょうか。

今回も、引き続き静岡県に発出されている緊急事態宣言を受け、皆さんのお家など、テーブルの上でできる戯曲です。が、もうひとつ「まちを使ったひみつのあそび」が隠されています。

しずてつ狐ヶ崎駅に行くと、駅構内(改札の中)にとあるQRコードが隠されています。これを読み込むとアクセスできるのが、ヤングランドの跡地をめぐるひみつの地図。現在はイオンになっている跡地をめぐりながら、ご自分の描いた記憶の地図と見比べ、いつかのヤングランドに思いを馳せてみてください。当時の風景と今の風景を見比べてみるのもいいですね。

地図の公開期間は放送日から一ヶ月、つまり10月18日まで。お近くにお住まいのかたや、普段からしずてつをご利用のかた、またしずてつを利用してのお出かけの際など、よかったらぜひ、狐ヶ崎駅で降りてみてください。

上演のコツ

ポイントは、まずご自分の記憶の地図を描いてみること。それから、狐ヶ崎駅へ行って実際の跡地の地図を手に入れること。そして最後に、地図を見ながらイオン周辺を歩いてみること! おひとりはもちろん、ヤングランドを知らないお子さんなど、ご家族と一緒にめぐるのもおすすめです。

おひとりでゆっくり歩いた場合、狐ヶ崎駅から全体を回るまで大体45分間〜1時間程度で体験できます(あくまで目安です)。休憩しながらだったり、お子さん連れだったりする場合は、お時間に余裕をもってお出かけください。

また一部のポイントは現在、駐車場になっています。道路や店内も含め、歩きスマホは控え、くれぐれも車の往来やまわりの人・ものに注意して、安全にお楽しみください。

上演して(やって)みたよ! で、どうすればいいの?

きょうの演劇では「こんなふうにやってみたよ!」という体験談や、戯曲の感想を募集しています。ラジオネームと、やってみた人は写真を添えてTwitterInstagramで投稿してください。ヤングランドの思い出や、実際に跡地をめぐった写真を撮って、一緒に投稿してくれると嬉しいです。

SNSに投稿する際はハッシュタグ「#きょうの演劇」を添えてください。「きょうの」はひらがな、「演劇」は漢字です。メール kyonoengeki☆gmail.com(☆を@に変えてください)またはフォーム でも受け付けています。

お送りいただいた体験談は、ラジオまたは『きょうの演劇』公式ウェブサイトまたはSNSで紹介させていただきます。

次回予告

次回9月25日(土)『きょうの演劇』は、皆さん自身でストーリーをつむいでいただく戯曲「降りたことない駅で降りてみる」を放送する予定です。どうぞお楽しみに!

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