7月31日(土)放送:「合奏、ムーンリバー」

合奏、ムーンリバー

きょう、7月31日土曜日の日が沈む、18時50分。もしもあなたの家にピアノがあれば、窓を開けて「ムーンリバー」を演奏してください。

きょうの月は、下弦の月です。月が水平線に顔を出すのは、真夜中近く。でも、たとえ地球の裏側にあって、私たちの目には見えなくても、月はいつもそこにあります。

想像してみてください。あなたのまちで暮らす、会ったことのない何千・何万もの人たちを。見えないだけで、その人たちはいつもそこにいます。想像してみてください。その人たちが互いに見知らぬまま、同じ日の同じ時間に同じ曲を演奏しているところを。家々の窓から「ムーンリバー」が流れてきて、同じ空に吸い込まれていくところを。

演奏は5回、くりかえしてください。もっとたくさん弾きたければ、どうぞ演奏を続けてください。でも外が暗くなる前には、切り上げましょう。隣のお家では、赤ちゃんが眠るころかもしれません。

ピアノがなければ、ギターでもハーモニカでも、あなたの弾ける楽器で結構です。むかし夢中で弾いた楽器が、屋根裏や物置でホコリをかぶっていませんか。久しぶりに明るい窓辺に連れてきて、深呼吸させてあげましょう。

もしも楽器を持っていなくても、鼻歌があります。上下の唇をぴったりとつけて、鼻のつけ根、左右の目と目のあいだから声を出すように歌うと、いい音が出ます。頭蓋骨全体を、楽器のように震わせるイメージです。

夏らしい気持ちのよい夕方だったなら、思いきって外に出てみましょう。まちなかのベンチでマンドリンを。川のほとりでリコーダーを。いつもの道を歩きながら鼻歌を。たまたま通りかかった、見知らぬ誰かへのプレゼントのつもりで、演奏してみてください。

きょう、7月31日の18時50分。部屋の窓を開けて「ムーンリバー」を演奏してください。道行く人たちに音楽を届けてください。まだ出会っていないけれど、同じまちで暮らしている人たちが奏でる音楽に、あなたも加わってください。


聴き直し

当日の放送は以下You Tubeまたはradkoタイムフリーから聴くことができます。

戯曲を朗読しているのはSPAC-静岡県舞台芸術センターの俳優・石井萠水(いしいもえみ)さん。今月(2021年7月)の戯曲は『おでんの伝言』『安倍川花火大会のための10の戯曲』も読んでくれました。

今回の舞台

今回の舞台は、ラジオを聴いている皆さんの「家」や、まちなか、川のほとりなど、どこでも自分の好きな場所でした。
名曲『ムーンリバー』は、映画『ティファニーで朝食を』(1961年)で主演のオードリー・ヘプバーンのために作曲されたもの。以来、プロのミュージシャンたちはもちろん、世界中でさまざまな人たちによって演奏され、歌われてきました。

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次回予告

次回8月4日(土)の『きょうの演劇』は、静岡市清水区に住む、宇宙が大好きな小学5年生の女の子と一緒につくった戯曲を放送する予定です。どうぞお楽しみに!

 

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