11月27日(土)放送:「二千年後に発掘してほしいもの」

「二千年後に発掘してほしいもの」

「静岡浅間通り商店街」は、静岡浅間神社の門前町として発展した、歴史ある商店街だ。と人はいうけれど、「歴史」って一体ナンナンダ。

静岡浅間神社には、二千年以上の歴史がある。その後ろには「しずおか」という地名の由来になった「賤機山(しずはたやま)」があって、その麓には古墳がある。古墳のある丘を下って、神社の赤い鳥居をくぐり神社を出ると、「静岡浅間通り商店街」が始まる。

時計屋、はかり屋、金物屋。こうじ屋、ふとん屋、古本屋。おでん屋、せんべい屋に洋品店。そういう歴史あるモノたちも、数十年前の人たちにとっては、当たり前の「日常」だった。遺跡から発掘される土器や木簡だって、二千年前の人たちにとっては毎日使うお鍋やメモ帳みたいなもの。だったはず。

つまり歴史って、「日常」のことなのだ。埋もれていた日常が長い時間を経て発掘されたとき、それは「歴史」になる。二千年後には、私たちが日々の買い物で受け取るレシートが古文書になったり、今晩のおかずのコロッケが化石になったりするのかもしれない。

そんなわけで『きょうの演劇』では、このラジオを聴いている人たちと一緒に、浅間通り商店街で歴史を掘り起こす、もとい、いつか歴史になる「きょう」という日を掘り起こしたい。ぜひあなたも浅間通りに行って、この戯曲をやってみてほしい。

最初の行き先は、浅間通りの神社寄りにある「安本酒醤油店(やすもとさけしょうゆてん)」だ。店番をしているご夫婦に声をかけると、一冊のアルバムを見せてくれる。見終わったらアルバムを持って、斜め向かいにある「原木肥料店(はらきひりょうてん)」に行こう。

原木肥料店でお店の奥さんにアルバムを渡すと、ポラロイドカメラを貸してくれる。あなたにお願いしたいのは、浅間通りで「二千年後の人たちに発掘してほしいもの」を探して、写真を撮ってくること。あなたの見つけてきた風景やモノは、最初のアルバムに収められる。
たくさんの人が参加すればするほど、たくさんの写真が集まって、二千年後の人たちが大喜びする…かもしれない。

アルバムとカメラが貸し出されるのは、本日11月27日から12月11日まで、土曜日のみ。つまり11月27日・12月4日・11日の3日間。時間は10時から夕方3時。ときどき店主が留守にすることがあるかもしれないが、そのときはどちらかやっているほうのお店を訪ねてほしい。「安本酒醤油店」と「原木肥料店」、どうぞお間違いなく。


聴き直し

当日の放送は以下You Tubeまたはradkoタイムフリーから聴くことができます。

 

今回の戯曲を朗読してくれているのはSPAC-静岡県舞台芸術センターの俳優・奥野晃士さん。8月に放送した『宇宙一の料理人』『このまちのスーパーマン』でも登場してくれましたね。

今回の舞台

浅間通り商店街は、静岡浅間神社の門前から南北600mにのびる商店街で、戯曲の中にも登場したような歴史ある老舗から若い人が始めたお店まで、個性豊かなお店が並んでいます。江戸時代前期にシャム(現在のタイ)の地方の国王になった山田長政の生誕地があることから、日本とタイの友好を深めるための長政まつりが開催されています。

赤い鳥居が目印です。

今回の戯曲は久しぶりに、実際にまちを訪れて体験できる「まちをつかったひみつのあそび」です。実は8月に放送を予定していましたが、緊急事態宣言の発出を受け、安心して実施できる状況になるまで、放送を延期していました。そんなわけで11月の放送では、もともと8月の実施日時を収録してあった最終段落はカットしてお届けしました。

この「二千年後に発掘してほしいもの」を体験できるのは11月27日(土)、12月4日(土)、12月11日(土)の3日間、いずれも午前10時から午後3時までです。午後3時が最終受付となるので、お気をつけください。

ぜひ静岡浅間通り商店街を訪れて、あなたが「二千年後に発掘してほしいもの」つまり、二千年後の人たちに伝えたいことや見つけてほしいものを探して、写真を撮ってくださいね。

今回お話を聞いたのは・・・

今回、一緒に戯曲を考えてくれたのは、「安本酒醤油店」の安本久美子さん(やすもと・くみこ)さんと「原木肥料店」の原木公子(はらき・きみこ)さん。「浅間通り歴史委員会」なるものを立ち上げてしまったお二人は、大の歴史好き。駿河東海道おんぱくなどでも地域の歴史ツアーを企画・実施されています。

ずっとここで店番をしながらまちを見つめ、人と言葉を交わしてきたお二人だからこそ、浅間通り界隈の歴史を尋ねてみると、きっと面白いことを教えてくれるはず。ぜひ、おしゃべりを楽しんでみてくださいね。

原木さん(一番左)、安本さん(左から二番目)と。8月に放送予定だったため、7月に取材しました。暑かった!

上演のコツ

最初に、安本酒醤油店に行って店番をしているご夫婦に声をかけてくださいね。「きょうの演劇を聞いて来ました」と言っていただくとスムーズです。

その次に、斜め向かいの原木肥料店に行って、カメラを借りてください。

説明を聞いたら、あなたの「二千年後に発掘してほしいもの」を探して、さっそく商店街へ繰り出しましょう! 撮影中、車にはくれぐれも気をつけてください。

また、カメラとアルバムは必ず返却してください。

途中で分からなくなっても、教えてもらえるので大丈夫! その場の指示に従ってください。ときどきお店の人が留守にすることがあるかもしれませんが、そのときはどちらかやっているほうのお店を訪ねてくださいね。

来店の際はマスク着用とアルコール消毒にご協力ください。「安本酒醤油店」と「原木肥料店」、どうぞお間違いなく。

■安本酒醤油店 〒420-0868 静岡県静岡市葵区宮ヶ崎町63
■原木肥料店 〒420-0868 静岡県静岡市葵区宮ヶ崎町34

商店街にある山田長政の銅像にも、手作りマスクが。

上演して(やって)みたよ! で、どうすればいいの?

きょうの演劇では「こんなふうにやってみたよ!」という体験談や、戯曲の感想を募集しています。ラジオネームと、やってみた人は写真を添えてTwitterInstagramで投稿してください。

現地へ行けない人は、ぜひあなたの身の回りで「二千年後に発掘してほしいもの」を写真に撮ってSNSで教えてください。もちろん、戯曲の感想も大歓迎です。浅間通り商店街のお気に入りの場所や、思い出を教えてくれるのも嬉しいです。

SNSに投稿する際はハッシュタグ「#きょうの演劇」を添えてください。「きょうの」はひらがな、「演劇」は漢字です。メール kyonoengeki☆gmail.com(☆を@に変えてください)またはフォーム でも受け付けています。

お送りいただいた体験談は、ラジオまたは『きょうの演劇』公式ウェブサイトまたはSNSで紹介させていただきます。

次回予告

来月12月は、東海道の宿場町をめぐる甘味(スイーツ)をテーマとした戯曲を放送していく予定です。どうぞお楽しみに。

 

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